ひさびさに怪奇ドキュメンタリーを観る。[レンタルDVD鑑賞日記その706]

 昨年4月リリースの『心霊闇動画41』を鑑賞。子供の誕生会を録画した映像にいなかった人物が写り込む“誕生日の訪問者”、野外での女子会に招かれざる客が訪れる“ドームテント”、廃墟探訪の際に遭遇した怪異を記録した“電話の音”など全6篇を収録。
 怪奇ドキュメンタリーのなかでは比較的安定感のあるシリーズなんですが、今回はちょっと全般に安易。個人的に、映像がまるっきり作り物でもそこは構わないほうですが、せめてもうちょっと“異物感”を表現して欲しい。普通に、そこに人がいても不思議ではない、と感じるような撮り方が多くて、いささかしっくり来ない話が多いのです。特に“ドームテント”は、現実的にヤバいひとがいた、とも取れるような描写で、ちょっと軸がぶれてる……まあ、仮にアレが生身の人間であっても、怖い行動ではあるんですが、《心霊闇動画》と銘打ってる以上はもう一工夫するなり、検証するなりが必要だと思う。
『ほん呪』フォロワーを貫きつつもだいぶ軽い仕上がりになっていて全般に物足りないなか、特に惜しいのは“電話の音”。廃墟で突然鳴り響く電話の音、出所を探しても解らない……というシチュエーションは、純粋に怖い。それだけに、繋がりの見えづらいオチは蛇足と言うべきか、思慮不足と言うべきか。その理不尽さが怖い、という見方もあるでしょうけれど、如何せん、それを主張するにはむしろフェイクっぽさをもっと押し隠さないと。
 この巻のあともかなりコンスタントに巻を重ねていて、そのハイペースは賞賛に値しますが、願わくばコンパクトでも強い衝撃が欲しいところ。相変わらず、方向性は嫌いではないので、今後も鑑賞はするつもりですが。

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