灯台もと暗しとはこのことか。

　私が実話怪談好きなのは、毎年夏になるとそっち関係の本の感想が盛んに並び、『新耳袋』のトークライブにはほぼ常連となっていることからも一目瞭然かと思いますが、本当のところ読むだけではなく自分なりに蒐集もしたい、と日々考えていたりします。が、もともとあまり人付き合いのいい方ではないので人脈に乏しく、加えて仕事としてもあまり表に出ないので蒐める機会がないというのが実情。

　が、最近になって、従姉が何やら奇妙な体験をしたらしい。臨時の仕事のために関東から離れて生活している彼女の仮住まいでの出来事だそうで、俄然興味を抱いたものの、いかんせん遠方なのでなかなか連絡を取る術がない。電話だと金がかかって仕方ないし、そのためだけにこっちに戻ってもらうわけにもいかない。

　そこでいきなり活躍してくれたのが、先日切り替えたばかりの携帯電話。こちらのアドレスを伝えるついでに、他に何かあったら聞かせてくれないか打診してみる。とりあえず、前に戻ってきたとき聞いた以上の話はなかったようなのだが。

　……実家でもけっこう変なことがあったなんて聞いたことなかったんだが、俺。

　なんか二・三度ぐらいイタズラされたとか言ってるんだが。従兄の体験したという話がけっこー異様でいい話*1なんだが。どーして私にもっと早く教えてくれなかったのだ?!

　いやまあ、私がこれほどの怪談好きだという話を身内にした覚えもあまりないのが本当なので、文句ばっかりは言えない。とにかく今後じっくりと聞かせてもらおうではないか、おう。

　と、ようやく快方に向かっている風邪のことも一瞬忘れて興奮しているバカがここに。