やがてデータが出るのは早くとも四時から五時ぐらい、そのあいだには留守にしていた人間も戻ってくるので、配達の役割はこの段階で免除。とりあえず午前中の強行軍の疲れを抜くために軽く仮眠を取る。
で、外回りの人間が戻っても依然事態の進展はなく、午後五時半頃、とうとう私本来のお役目もとりあえず今日は必要がなくなり、完全にお役御免。しかし、一週間前から「ある」「ある」と言われていた仕事がこの有様ではどーにも釈然としない。しないが、そのあとに今日は約束も控えていたので、すっぱり忘れていったん家に戻り、諸般準備を済ませたのち最寄りの駅へ。まずは構内のコンビニNEWDAYSなどで販売が始まったSuicaのマスコット・ペンギンのグッズを鑑賞してちょっとだけ和む――ついでに意味もなくでっかいぬいぐるみがついたキーチェーンを衝動的に購入。どこにぶら下げる気だ。
目的地は新宿、紀伊國屋書店新宿本店からほど近い場所。もはやお約束のごとく店に吸い込まれてかるく買い物。続いて本日のお目当てである、とあるビルの地下にある蕎麦屋に向かい、他の方を待つ。
なかなか来ない。
この店、ちょっと癖のある構成をしていて、ビルの入り口が二方向にある。紀伊國屋書店と同じ通りに面した階段と、脇道に添ったところにある二基のエレベーター。当初私はエレベーターのほうから降りていったのですが、降りてみるとやったら狭いところに出て、店を探したら真横に大通りへ面した階段がある――つまり、階段から下りた方が解りやすいのですが、位置関係上、裏口に近いエレベーターのほうに足が向きがちなのです。ずっと地下にある店の入口前で待っていて、はた、とその誤解しやすい構造に思い至って、階段から上がって脇道のほうへ廻ると、やっぱりいた。説明しても解りにくいのでそのままエレベーターに雪崩れ込んで躰でこの妙な構造を納得してもらった。
遅れてきたお二人を含む8人で入ったのはこぢんまりとした構えの店で、予約で用意されたのは店のほぼ真ん中にある唯一の大テーブル。こらゆっくり話せるような状況ではないな、と思いつつ、しかし本日は蕎麦をたぐりつつ憩うのが第一目的なので、構わず始めてしまう。
が、案外なんとかなるもので、けっこう和気藹々と三時間近く居座ってしまう。この蕎麦屋ではコース料理を用意しており、とりあえず一番安い3000円のものを注文して、あと足りなければ軽く――というつもりが、予想以上にヴォリュームがあって、シメの蕎麦が出る頃には結構お腹に貯まっていた。もうちょっと上の料金だと蕎麦食い放題というのもあるのですが、果たして入るのかどうか。蕎麦そのものの味も上々で、なかなか良いお店でした。
話題はかなり無軌道でしたが、最大のヒットはゆきこさん(仮)の姪シリーズ――詳述はしませんが、これを聞けただけで今日疲れているところを出て来た甲斐があったというもの。なまじの怪談より怖ええよう。
……しかし本日の集まりは確か松本楽志の提案で杉浦日向子氏を偲んで蕎麦でも手繰ろうという趣旨だったはずなのですが、いっぺんもそんな話題にならなかったな。日中訪れた某氏に体験談の確認をして、語りに出来るぐらいには熟成させておいたり、またネットの某所で見つけたネタも披露する準備しておいたんですけど。ま、楽しかったので問題なし。
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