本日でサイト開設六周年に到達しました。日頃のご愛顧に心から感謝いたします。七年目もよろしくお引き立ての程を――というわけで、途中からサイト名にも採りあげたこの曲が本日の見出しです。
時期によってスタイルの大幅に変化していったジャズ・ピアニストのチック・コリアですが、そんな彼のプロジェクトのなかでも、リターン・トゥ・フォーエバーぐらい多様なスタイルに変化していったものはないでしょう。初期はアコースティックを中心にヴォーカルを採り入れ“フュージョン”というジャンルを定義しなおし、第二期はエレキギター中心にロック色を濃厚にして『第七銀河の讃歌』や『浪漫の騎士』といった名盤を残し、のちのチック・コリア・エレクトリック・バンドへと繋がる路線を生み出しました。そして最終的にはビッグ・バンドに変化するという具合に、バンド・ジャズの主立った方向性をほとんど網羅しているのです。
このアルバムは初期も初期、リターン・トゥ・フォーエバーの名を冠した二枚目の作品にあたります。楽曲としては『アランフェス協奏曲』をイントロに使用した『スペイン』が著名ですが、トータルでも質の高いアルバムです。実のところ表題作は全演奏者の顔見せのような作りなのであまり評価していないのですが、タイトルと第二期以降のスタイルに繋がる攻撃的な音の構成が好きなので使わせていただいている次第。
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