松竹系でジブリを観るのは初めてです。

 昨日も記した通り、今週初めての映画鑑賞に出かけてきました。
 西から日本海側が線状降水帯の影響で大雨に苦しむなか、こっちにも分散してくれんかな、という程度には降りが足りてませんでしたが、今日はさすがに降ってきそうな気配。せっかく更新したばかりの免許証と新調したばかりの眼鏡でバイクを走らせたかったところですが、大人しく電車で移動です……でも映画館着いてから天気予報アプリ見たら、東京の予報は晴れになってたけど。
 行き先は丸の内ピカデリー、鑑賞したのは宮崎駿監督が引退宣言を撤回して手懸けた最新作、『君たちはどう生きるか(Dolby Cinema)』(東宝配給)
 実は私、大人になってから公開されたジブリ映画は、基本日比谷スカラ座で鑑賞していた。確か『ハウルの動く城』公開の際、最も早くデジタル上映に対応していたここを使って以降、概ねスカラ座を旗館にしていたので、私も意識的にここで観るようにしていた。
 現在、日比谷スカラ座はTOHOシネマズ日比谷に吸収され、スクリーン12として稼働している。正直、ポスターすら掲示しないTOHOシネマズ日比谷の素っ気なさはどうしても受け付けないのですが、もしスクリーン12でかかるなら、仕方ないから観に行くか――と思っていたら、この作品はいわゆるラージ・フォーマット上映が実施されることが発表された。TOHOシネマズ日比谷だとIMAXとDolby ATMOS。
 ……が、全国的には、Doby Cinemaでも上映されている。まさか、と思いましたが、この丸の内ピカデリーでもかかってたわけです。
 丸の内ピカデリーも現在は大看板などを出してませんが、少なくともポスター、チラシを掲示して、上映作品が区別できるようにはしてくれてる。何より、個人的にはIMAXよりDolby Cinemaのほうがクオリティを実感できる傾向にあるので、どうせ両方でかかるなら、と丸の内ピカデリーを選んだのです。ずーっと東宝で配給しているジブリの作品を、松竹が持つピカデリーで鑑賞するこの変な感じ。シネコンが普及したことで、あんまり映画館の系列は意識されなくなってますが、なにせジブリ作品の大規模な上映は2014年の『思い出のマーニー』以来なので、古い人間としてはそりゃあ多少感慨深くもなるし違和感もあるさ。
 今回、本当になぁんにも情報がありません。吉野源三郎の同題小説そのものではなく、インスパイアされたオリジナルの物語、というくらいで、ほぼなにも解らずに鑑賞してます。それこそジブリ級に関心と信頼がなきゃ観に来ない。
 ……なんか、想像してたよりも遥かに、ちゃんとしたジブリ映画だった。そして、告知も情報解禁もほぼ皆無だったのは正解かも知れない。私も、あんまり詳しいことを記さず、可能な限りまっさらで観てもらいたい気分。
 言ってもいいと思うのは、ヴィジュアルの質はやはりジブリで文句なし、そして、私自身もそうでしたが、あちこちで危惧されていた説教臭さはほぼ感じない。内在するテーマに主張は感じますが、それも観客なりに読み解くように描かれている。
 また、ジブリがよくやる、旧作の声を担当した役者がちょっと上の年齢の役で再登場する、というアレもあります。気がついたときは驚きました。あれすら宣伝に使わぬとは。
 劇場用アニメならではの解りやすさ、派手なクライマックスもありますが、個々の出来事の結びつきがかなり観客の理解に委ねられてるので、ピンと来ないまま終わるひとも多いと思う。でもそこも含め、宮崎駿とジブリでしか出来ない境地とも言えるし、ものすごく正統派でもある。個人的には、『風立ちぬ』をラストにせず、らしさを煮詰めた本篇を続けてくれたのを喜びたい。私はかなり満足。
 で、ひとが浸ってるあいだに、伏せられていた情報の一部、メインスタッフやキャストが発表になった模様。こっちはエンドロールを見てるので知ってはいましたが、たぶんいちばん驚くべきは、菅田将暉がいることだと思う。ぶっちゃけ、観ているあいだはまったく気づかなかった。しかも、スタッフロールの順番からすると、本当に予想もしない役で出てるっぽい……ネタばらし回避のために遅らされてしまったパンフレットが早く発売されんだろうか。すぐにでも確認したいのに。

 映画館を出ると、まずは日比谷シャンテに向かい、日比谷しまね館へ。最近、我が家では麦茶の代わりに定番化していたざら茶と、私のお気に入りである素焼のりを購入し、それから昼食へ。なにせ金曜日の昼時、どこに行っても混雑していて当たり前なので、使い勝手の解っている日比谷ラーメンアベニューにて、手早く済ませました。ここも気づいたらお客でいっぱいだったし。
 ……そして、いつものことながら、警戒して電車を使ったのに、雨には降られず。私はいったい何なのだ。

丸の内ピカデリー、『君たちはどう生きるか』キーヴィジュアルをあしらったエレベーターの扉とポスター。
丸の内ピカデリー、『君たちはどう生きるか』キーヴィジュアルをあしらったエレベーターの扉とポスター。

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