パット・メセニー・グループにおいて結成当初からメセニーとともに作曲を手懸け、キーボード・プレイヤーとして(時にはエレキギターまで演奏したりして)彼を支え続けるライル・メイズのいちばん新しいソロ・アルバムより。ライブなどで披露するソロは時として暴走しがちなこの人物ですが、攻撃性と繊細さとを兼ね備えたこの人のソロは、両者のバランスが取れたとき絶妙な味わいを醸しだします。このアルバムは長い時間を費やし大半を即興演奏で構築していったといいますが、全篇に横溢する透明感と、ときおり覗かせる鋭さとが鮮烈な名盤に仕上がっている。
きょう採りあげた曲はそのトリを飾るもので、楽譜にするとかなり厄介そうなリズムと旋律でひたすらに清澄な空間を構築する名演中の名演。演奏のクオリティとしてはグループ近年の作品で披露しているよりも上だと言い切っていいくらいです。
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