先日、見出しにチック・コリア・エレクトリック・バンドの曲を使うためにamazonで検索をかけていたところ、リターン・トゥ・フォーエヴァーのいわゆる第二期はじめ頃のアルバム二枚がユニバーサル クラシック&ジャズのJAZZ THE BEST CROSSOVER COLLECTIONの一環として再リリースされていることを知り、まだ入手していなかったこの『銀河の輝映』のほうを購入してきました。伝説的なデビュー作から数えて四枚目となるこれは、第二期のカラーを決定づけることになるギタリストのアル・ディメオラが加入した記念すべき作品。なにせまだ二十歳という若さなので、後年の凄みには至っていませんが、既にその片鱗は覗かせているし、演奏の熱と力強さは前任のビル・コナーズを確実に凌いでます。楽曲ひとつひとつのインパクトという点では前作『第七銀河の讃歌』に及びませんし、完成度という点ではこの二枚あとの奇跡の傑作『浪漫の騎士』を聴いてしまうと大幅に劣りますが、でも洗練されていないがゆえの荒々しさがあって聴き応えは充分。チック・コリアのアルバムも色々と聴いていますが、こういうのに出逢うとやっぱり私はチック・コリアというよりはリターン・トゥ・フォーエヴァーが好きなんだな、と改めて再確認。
なお、採りあげたのはアルバムのいちおうタイトル・チューンですが、邦題は何故か『銀河の輝映』となっている。題名そのものはのちの『浪漫の騎士』でも採りあげられたネヴィル・ポッターの詩の一節から引用されており、ジャケットに掲載されたその詩をよくよく読むと、ちゃんと“Where did we play among galaxies bright”という箇所があるのです。これはなかなか巧い。
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