『まんが日本昔ばなし』第四回

 ……しまった、録画予約するのすっきり忘れてた。今日は普通に放送があること自体も忘れていたので、一話目の『かもとりごんべえ』序盤を見落としてしまった……悔し。

 まあとりあえず鑑賞はしました。序盤を見なくてもだいたい成り行きの察しはつく第一話『かもとりごんべえ』は、たぶん鴨を捕るのを生業としていた男が、横着をしたために大量の鴨によって空を飛ばされ、あちこち渡り歩くというシュールな話。教訓も何もなく、行き当たりばったりで暮らしているというだけの話なのですが、妙に愉快です。あれだけの冒険をさせられてもまだ懲りないあたり、逞しいというか何というか。このくらい脳天気に生きられたらいいねえ。

 第二話『座頭の木』は、ある大川で渡し船を営む船頭が、氾濫した川を流されていた座頭を拾い弔うと、埋めた場所から急激に巨大な木が生えてきた、というお話。

 内容的にはこちらも教訓などはなく、座頭の木の齎す不思議な恩恵と、それを穏やかに受け入れる人々の暖かな交流を描いている。現代だったら「不気味だから切り倒せ」とか「原因を調査する」と余計な容喙をして台無しにするところを、住民達は静かに受け止めたまま話は幕を閉じる。現象だけを描いた、純粋な幻想譚という趣で、見ていて落ち着きます。

 いかにも漫画らしいキャラクターの描き方をしていた第一話と比べると、人物の線をシンプルにしながら、主題となる座頭の木を絵画的に仕上げることで、まんが日本昔ばなしらしい個性を際立たせています。本当に、いまどき珍しい職人的な作りが、とても心地よい番組なのです――録画し損なったのが口惜しい。反省して、来週分の予約はとうに済ませました。

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