年の初めはさだまさし

 ゆく年くる年の直後からNHKで、そんなタイトルの生番組をやってました。観覧応募したんですが当たらなくて残念、と思っていたら、始まった放送を見て納得。無茶苦茶低予算で、観客はたった30人。四桁に及ぶ応募があったそうですから、そりゃ当たるはずもない。

 基本的に、さだまさしのラジオ番組とほとんど同じノリで、それを若干体裁を整えてカメラで撮っているだけ、という感じ。何せメインのセットは三枚のホワイトボードとテーブル、放送作家と音響が横にいて、適宜フリップを手作りしたり効果音を真横で出している。あとは歌のためのピアノとギターに楽譜台、それに横合いに石川鷹彦倉田信雄ほか関係者が待機している炬燵があるくらい。この年越し早々とは思えない手作り感が素敵です。

 紅白出場者のゲストがちらちらと登場したりしましたが、基本はさだまさしが、番組のために寄せられた葉書を読んでいるだけ。「どうせ誰も観てないし」と言いながら、普通NHKでは避けそうな類の発言はするわ、一部の段取りを除いて台本がないのをいいことに、歌を歌う場面になっていきなり「決して紅白では歌うことのない曲」として『親父の一番長い日』を前述のふたりとのトリオで演奏する。お陰で折角楽器があるのに番組で演奏したのはこれと『案山子』、そして『北の国から』の三曲だけ! さすがさだまさしだ!

 しかし演奏までが完全なライブという徹底した手作り感が終始心地よい、いい番組でした。正月というだけでやたらごてごてとした特番が多いなか、一種エア・ポケットに入り込んだような時間帯だからこそ出来たのでしょうが、それでもゴーサインを出したNHKに感謝。年明け早々いいものを観させてもらいました。

コメント

タイトルとURLをコピーしました