出てない人の吹替は出来ません。

 本日、所用で有楽町まで出かけてまして、空き時間に何気なくビックカメラ店頭のワゴンで販売していた、Sony PicturesのDVDを眺めてました。『タクシードライバー』とか『イージーライダー』とか、高く評価していながら買い損なっていた『プロフェシー』など持っていないものを眺める一方で、既に所持しているものについても、外装が違うというだけでちょっと誘惑を感じてしまうのが私の悪い癖です。さすがにほとんどデザインが一緒ならばともかく、DVDが普及しはじめた時期に第一回目のリリースがあった作品は、手許にあるのはジュエルケースのものなので、トールケースになったというだけでなんとなく気になってしまう。

 今回、その例に該当するのはガイ・リッチー監督の出世作『ロック・ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ』に、ベニチオ・デル・トロには珍しいライトタッチの作品『エクセス・バゲッジ』の2本。で、特にベニチオびいきの私としてはどうしても後者が気になってしまうわけです。で、矯めつ眇めつしていると――どうも、何か違和感がある。よくよく眺めて、解りました。

 だいたいDVDのケース裏、本でいう裏表紙には作品の概要が記してあります。デザインによって異なりますがだいたい下の方、スペック表の上あたりに主要なスタッフ・キャストが日本語で書いてあるのが普通です。問題はそこ。一部の作品を除いて、DVDではだいたい吹替版の音声が収録されているもので、通常オリジナル・キャストの横に()で囲む格好で吹替を担当した声優の名前が記述してある。この『エクセス・バゲッジ』ではヒロインのアリシアシルバーストーンの吹替に林原めぐみを起用していて、最初のリリースの際にはタスキにゴシック体で表記していたくらいであり、本編の出来には色々と問題のあるこの商品の売りであることは間違いないはず、なんですが。

 吹替声優の名前を、キャストではなくスタッフの横に書いてしまってるんです。

 従って本来アリシアの横にあるべき林原めぐみの名前が、監督:マルコ・プランビヤの横に書いてあり、以下デル・トロ担当もみんなスタッフのほうにずれて表記してある。なんだこりゃ。よく見ると、そもそも“スタッフ”という見出しの横に“(声の出演)”と書いてある。パッケージ制作に関わった人、ちゃんと見ないんだろうか……。

 ちなみに、現物が手許にないので、参考として同じSony Picturesから発売されている『スパイダーマン2』のDVD Videoがたまたま近くにあったのでそれを参考代わりに眺めたのですが、こちらでは“声の出演”とあるべきところが“声の演出”となってました。……へー、するってえと、トビー・マグワイアのアフレコなんかは日本人が演出してるんだ……へー。

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