遅すぎる夕食を摂ったり風呂に入ったりしていたら冒頭に間に合わなかったので、日が出てから改めて録画分を鑑賞しました。
藩主から暗に脅しをかけられた図書之助は、逃げた鷹を取り戻すため白鷺城へと赴く。妖怪の助けを借りたものの、忘れ神たちの襲撃に手もなく翻弄される図書之助だったが、富姫はそんな彼に救いを差し伸べる……
……あれー。なんか作画の状態が劣化しましたよ? デッサンが狂っていたり構図が安易だったりする箇所が激増して、かなり見苦しくなってます。富姫のアップや一枚絵は見栄えがするところも多いのですけれど、全身像や複数のキャラクターが絡む場面はおおむね酷い。襖に映される戦闘場面など、演出的に意欲を感じさせるところはあれど、肝心の絵がぎこちなくて活きていない始末です。
ストーリー的にも序盤は微妙。なんでこの2匹の妖怪は図書之助に対してやたらと協力的なのか、以前の盗賊相手のときと比べて忘れ神たちの襲撃が生温いのは何故なのか、そして図書之助を追ってきたお静はどーしてあんなに簡単に天守閣まで入り込めたのか、などなど疑問の余地が多い――泉鏡花の原作もこんなにツッコミどころふんだんだったんでしょうか? ちょっと目を通しておこうかしら。
その代わり後半、自らの背景を語る富姫と、彼らのラヴシーンはなかなか見応えがありました。いにしえのお伽噺だからこそ有効になる過去とたとえ話が綺麗に嵌ってます。
コメント
いや、こういう話ではなかったような、というとこがぼろぼろ。ちょっと今すぐ原典が確認できないのですが。(波津彬子の漫画版ならすぐ出ますが;)
幸か不幸かこれはまだ青空文庫に入ってないですなあ。
ああやっぱり。さすがにちょっと雑すぎやしないか、と思ってましたが。
泉鏡花はほとんど読んでませんので、折角の機会ですから岩波文庫でも入手して確認してみようかなーと思ってます。
……どっちにしても、このアニメ版も今のところそんなに悪い印象は持ってないんですが。作画が安定してくれればなおいいんですけど。
うーん。デザインとか構図の企画は悪くないと思うんですが、私はどうも画面が明るく軽くなり過ぎてるのが気になりますな。
要するに「怪」と銘打ってる割には全然怪しくないのですよ。深夜枠なのに。個人的にはもっとどろどろしててほしいです。一人でトイレ行けなくなるくらいに。不安でつい後ろ振り返っちゃうくらいに。
それも同感ですが、まあ脚本・監督ともにもともとホラーや怪談を扱っていた方ではないようですから、致し方ないかと。