iTunesのプレイリスト機能を利用して、パット・メセニーの関係したトラックだけ集めてまとめて聴く、というのをやってみました。その際、ごく久し振りにメセニーがジョン・スコフィールドと共演したアルバムのうちの一曲であるこれを聴いたのですが……記憶にあるより遥かにいい曲で吃驚しました。
メセニーもスコフィールドもともにジャズ・ギタリストの巨匠として知られているのですが、音楽の方向性が異なるために、傍目には共演するという可能性を思い浮かべていた人は少なかった。そんななかで忽然とリリースされたこの共演アルバムは、どちらのイメージとも噛み合わない、けれど演奏そのものは非常に高度な、難解な代物になってます。メインのフレーズでは共演しながら、アドリブではお互いに出方を窺いながら晦渋なフレーズをぶつけ合う作りは、実に通好みではあるけれど、気力のないときには遠慮したい、という印象があったため、なかなか聴く機会を設けなかったのです。
が、メセニー絡みの曲ばかり集めてランダムで流していたとき、かかったこの曲の印象はまるで違う。名人同士の対決、といった緊張感はあるのですが、旋律が穏やかで優しく、聴き心地がいい。マニアックな演奏を積み重ねるなかにこんな柔らかなものも混ぜているあたり、やはりこの人たちは侮れません。
権利関係について苛烈な姿勢を貫くメセニーの意向からか、メセニー・グループや彼個人の演奏は未だiTMSで販売されていませんが、これは管理が異なるのか、ちゃんとラインナップに加わっていたので、例によってiTunesに対応したリンクも貼っておきます。しかしCDのほうは、日本盤はどうも廃盤になったかしたようなので、輸入盤のほうを採用。
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