夏の終わり。はずむは傷ついたやす菜の傍にいる決意を固め、とまりもまたそれを受け入れた。これが最後、という約束でふたりはその日一日、一緒に遊ぶ。一方で、人間を識別することの出来なくなったやす菜は、彼女たちから遠く離れようとしていた……
……描写的にはかなり胸を打つものがありましたが、最終回としては好き嫌いが極端に分かれそうな気がする。恋愛シミュレーションにたとえるならメインヒロインはやす菜、という展開になりましたが、大半彼女は置き去りでとまりとの交流を描いていたし。
反面、決着までは程遠い原作を独自に処理する、という意味ではこれ以外に理想的な答はなかった、と感じられます。前提を考えればここしか落ち着きどころはないし、そこまでの道程を正当化するためにやす菜の設定を活かしたうえでクライマックスを構築したのは正解だと思います。その上で、とまり(やそのファン)を納得させるには、最後に檜舞台を用意してあげねばならなかった、と。消極的で、かつなんか別のエンディングに至るフラグを見落としていたようなモヤモヤ感が強すぎる結末ですが、やむを得ないところでしょう。あとは、最後の最後で宇宙仁が真っ当なことしか言わなくなったのがどうしても個人的には納得いきませんが、それも許容範囲ではある。
が、しかし、あのエピローグの置き方はさすがにちょっといただけない。新たな可能性を仄めかしたいのか、もういちどトドメを刺そうとしたのか解らなくなってしまい、折角の纏まりを最後でとっ散らかしてしまった。もともとまとまりきっていなかったので、起点に戻して視聴者の想像に委ねる、と捉えれば間違いではないのですが――どうも無責任な結末に映ってしまいました。うーん、一部の描写を除けば、基本的に好感を抱いていたのですけど、なんか最後で大幅にマイナスの印象をつけてしまった感じだ。ちと残念。
それからもひとつ、最終回に至ってもエピローグや一部を除いて全般に作画のクオリティが低かったのも勿体なく感じました。特に最後の告白の場面、あそこはもうちょっと丁寧にして欲しかったところ――成り行きが御都合主義になってしまっただけに、映像で説得力を付与してくれないと。
……でもキャラクターソング集はたぶん買う。
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