『まんが日本昔ばなし』第二十六回

  • ソラ豆の黒いすじ

 何故、ソラ豆には黒いすじがあるのか? それは昔、ソラ豆と藁と炭が連れ立ってお伊勢参りをしたときのことに由来する。様々な冒険の末、眼下に川の流れる谷までたどり着いたのだが……

 ……シュールだ。とてもシュールだ。何故ソラ豆と藁と炭が喋れて会話も可能なのかは考えないとしても、肝心の「黒いすじが出来た理由」になるともう世界観が理解不能です。いい話なのかも解らないし、教訓を齎そうという意思も感じられませんが、奔放な空想の世界が楽しい一話。いっそ潔いほどシンプルな作画がまたいいのです。

  • どっこいだんご

 村はずれにひとりで暮らすたっぺいは、ろくに野良仕事も出来ないほど頭が悪いので、芋やひえを食って暮らしている。嫁を貰っても適当なもので食事を賄う暮らしぶりは変わらなかったが、ある日訪れた妻の実家で食わせて貰った団子に感動して、家に戻り嫁に作ってもらおうと、必死に“団子”という単語を反芻し続ける……

 好きこそものの上手なれ、目的があれば出来なかったことも可能になる、という訓話……というにはたっぺいの馬鹿さ加減が度を超していて、その様が懐かしい類の笑いを誘います。しかし本当に感動すべきなのは、彼の周りにいる人々の根気強さかも知れません。

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