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美しき日本の面影

  1. さだまさし美しき日本の面影』(FOA Records[発売]/Universal Music[販売]/CD)

 フライングしてきました。さだまさし今年度の最新作より、早速引用。1990年リリースのアルバム『夢回帰線II プライス・ダウン・リイシュー盤』初出の曲を、オーケストラ・アレンジにて演奏したものです。原曲自体が渋く重い味わいを醸し出していて好きだったのですが、オーケストラ編成にて生まれ変わったこちらは雰囲気が洗練され、歌詞にあった諦観が研ぎ澄まされて深みを増した印象。同じ曲でも解釈次第で斯様に大きく違ってくる、といういい手本です。

 前作で感じていた不満を解消する意図で作られたというこのアルバム、全篇に季節感を織り込み、序盤3曲では吉田政美とのコラボレーションによって“グレープ”の進化形を示し、後半では渡辺俊幸石川鷹彦らすっかり常連と化した面々と、メッセージ性・詩情ともに高い曲を連ねており、確かに渾身の手応えがあります。今のところこの引用した曲と、往年の名ギタリスト吉田政美がとんがったところを披露した『さよなら橋』が個人的には好き。

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