妻と別れてきた河原(葛山信吾)と、都古(香里奈)は結婚する決意をした。しかし、彼女にとっての気懸かりはやはり輝明(草なぎ剛)――同じ職場で働くようになって、輝明は以前よりも都古に依存するようになり、彼女も川原に動物園の仕事を辞めるように言われながら、彼の存在が心配で職場を離れる決心がなかなか出来なかった。それでも、きちんと打ち明けねばならない――
どうやら節目が訪れたようです。思っていたほど大きな波乱はなく、都古の静かな気遣いと、輝明のなかなか目に見えない動揺を淡々と描き出す。そのなかで、どうやら完全に彼との接し方を理解した三浦と、前よりもこの変わった叔父に親しみを示すようになった幸太郎(須賀健太)、そして何やら含むところのあるらしい古賀(小日向文世)の様子を無理なく織りこんでいます。予告で感じるような安易な路線に流れることをせず、ささやかながら感動的な締め括りを用意しているのもうまい。
相変わらず、草なぎの演じる自閉症にはちょっと不自然が多い。とりわけ、一般的に自閉症の方はあまり他人の目を直接見ることをしない、という基本を押さえていないので、その動きに違和感を覚えることが多いのです。が、観ているうちに、寧ろこのくらい不自然であるほうが、変に生々しすぎなくていいように思えてきました。実際、ひとくちに自閉症と言っても症状は多様なので、ああして頭の動きの少ないタイプの方がいてもおかしくはありませんし、その特異性がドラマ全体を柔らかくしているようにも思えるのです。
とはいえ、話はここからが本番。社会での理解者を失いかけている輝明がどこへ向かうのか――作品の方向性もだいぶ見えてきたので、ますます締め括りに興味が湧いてます。
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