病に対して前向きになったゆかり(桜井幸子)に、コトー(吉岡秀隆)は自宅に戻ることを提案する。抗ガン剤の投与で対応し、点滴のときだけ入院する方法での闘病を選んだのだ。副作用は激しかったが、ゆかりはまるで病気などなかったかのように日常に復帰する。やがて彼女の病状は、コトーの予想を超える展開を見せた――
原親子はほぼ完全に脇に退き、末期ガンと診断されたゆかりを中心に、医者としてのコトーの煩悶を描いています。原作では朴念仁である以外ほぼ超人として描かれていますが、このドラマで彼は手術の腕に優れながら、医療の限界を自覚する人物となっている。だからこそ、彼はゆかりの病状の変化に動揺する。自分の能力の限界を超えた展開に、逆に己の存在意義をしばし見失ってしまう。この流れがリアルでいい。
ゆかりのような病状の変化は少し過剰に感じられるかも知れませんが、少なくともこのタイミングで投げ込むのがいちばん正しいエピソードだったと思います。残すは3話、そろそろ彩佳の話に――と思ったらその前にミナ(蒼井優)があったか。
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