『ゴーストハント』File7 血ぬられた迷宮#3

 首を切り落とされる、という強烈な悪夢を見た麻衣。屋敷に直接関わる人物が危険に見舞われていない事実などから、ジョンは狙われているのは“若い人物”に限られている、と推測する。ナルは標的にされかねない麻衣と安原に、能力者が護衛につくよう指示するが、そのためにナルが余ることにリンが強硬に反対し、結果、安原がいったん抜けることで纏まる。やがて一同は、事件を解決する鍵が屋敷の構造そのものにあることを改めて確信するのだった……

 まだ常識とオカルトの合間を漂っていた気配のある初期のエピソードと比較すると、異常とさえ思えるくらいの密度で怪奇現象が繰り出されてます。しかし恐らく原作は、最初からここまで導くのが目的だったんだろうな、と個人的には思います。だって、ここまで付き合ってきた人間には現象の経緯が納得できますし、出来事が超常的だったとしても、そこから“合理的”な結論を導き出すことは不可能ではない、と解っているわけですから、幾らでもオカルト知識を盛り込むことが出来る。

 実のところ今回のネタは、専門家であればもっと早く察して然るべきだった、と思うくらいオカルトマニアには常識に等しい代物で、そこが妙と言えば妙なのですが、その辺はご愛敬。前回ラストの麻衣の悪夢にも劣らない異様な現象が積み重なり、シリーズでも最悪の事件に発展する。そしてナルにしては珍しい宣言で来週に続く。引きも見事で、相変わらず構成と怪奇描写の巧さが際立ってます。

 ただ、序盤に少しバランスの狂った作画が目立ったのがちょっと残念。掴みでしくじるのはあんまり感心できません――まあその分、アップの安定感や肝心の場面での精度は保っているのもいつも通りなので、慣れているとさほど気にならないんですけど。

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