取り憑かれたナルは意識を封じられ、床から起きることが出来なくなってしまった。麻衣たちは舵取りを欠いたまま、彼も救うために調査を続ける。旧家に伝わる故事と麻衣の見た夢、そして真砂子の霊視、すべてが指し示すのは、屋敷の建つ崖下にある洞窟である。あまりに多くの因果がまつわる事件に麻衣たちが困惑しているあいだに、事態は更に悪化の一途を辿る……
前シリーズもレベルは高かったですが、このエピソードは更に凶悪の度を増しています。こんなに被害や犠牲が、麻衣たちの目前で繰り返されるケースって他にあったか?
すっかり“能力”の域に開花した麻衣の予知夢や真砂子の霊視が活躍し、これまでで麻衣に齎された知識もちゃんと物語に貢献する。更に、いつになく綾子がクローズ・アップされているのも興味深い――そのわりに現時点では相変わらず役立たずであるのが不気味です。
これまでは取り憑かれている人間を捜すとか、隠されているものを暴き出すという主題が中心でしたが、本編において悪意は偏在し、その焦点が窺えない、ということがホラーとしての異様さを強調している。恐らく本編がアニメ版の最後になるはずですが、トリを飾るに相応しい重厚感。……ていうか、これって本当に大団円を迎えられるんだろうか?
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