――あれから4年。ステーションは新しく成人検査を通過してきた若者たちを受け入れたが、その中にやたらと反骨精神に富んだ少年、セキレイ・シロエがいた。何かにつけてキースに刃向かい、かつて彼が打ち立てた記録を抜くことに執心するシロエに翻弄されているうちに、キースたちの身辺で思わぬ出来事が……
新たな物語へ向けての布石が続いている、といった趣で、しかも視点人物がぐらついているため、どうもストーリーとしての牽引力には欠きますが、まあ致し方のないところでしょうか。それよりもむしろ、作画の質が全体に下がり気味であるのが気懸かりです。
とは言い条、まったく感情を顕わにしないキースと、逆にキリキリと尖り続けるシロエを対比させて、双方の特異さを際立たせる技は巧いし、ラストシーンの台詞はそれまでの描写を踏まえてよく利いている。練達の作りといった印象で、頼もしさがあります。
コメント