『史上最強の弟子 ケンイチ』第三十三撃 ぶつけろケンイチ!拳は語る!

 ほのかを攫われた兼一は指定された教会にて、ハーミット=谷本と対峙する。実践武術における胆である“虚実”を織りこんだハーミットの老練な戦いぶりに翻弄される兼一だが、しかし彼の馬鹿正直さは、その程度で動揺するほどヤワではなかった――!

 おお、今回は予想以上に作画の質、アクションの迫力も優れていて、実に見応えがあります。原作でも兼一が強くなるためのポイントであった“虚実”をちゃんと絵で表現する意志が感じられて良し。格闘そのものの迫力も、ここしばらくで屈指の出来でした。いちいち気の波紋が生じたり、大技を放つと閃光が走るあたりの大袈裟も、今回は展開に合致していて、見ていてゾクゾクするくらい。

 不安材料は、この状態で次回に引っ張ってしまったこと――一区切りの話を特定のスタッフに委ねるのではなく、1話ごとに変わっている様子があるので、このシリーズのクライマックスである次回の質が下がってしまうことほど悲しいことはないんですが。予告を見た限りでは、いい作画もまずい作画も半々といったところで、予断を許さず。でも楽しみにしておこう。

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