攻撃のリズムを完璧に読まれていることを悟った兼一が導き出した起死回生の手段は、梁山泊の師匠の動きを模倣することだった。形勢逆転かと思った矢先に、オーディーン=朝宮龍斗は最後の一線を超える。“静”の気と“動”の気を同時に発動させるという荒技――はじめこそ兼一を圧倒する龍斗だったが、しかし無茶な行為のツケは龍斗の躰も心も破壊させていく……だが、それこそが兼一の本領を引き出すトリガーとなる。
1年に及んだ長期シリーズも今回で完結。さすがに最後で容赦するという選択肢はなかったようで、間違いなくシリーズ屈指の作画レベルを繰り出してくれました。これだけで途中の駄目さ加減はだいぶ許せようというもの……でも途中でももうちょっとこのクオリティを出して欲しかったわ。
序盤にあったような小技で見せるのではなく、ひたすら戦いの迫力だけで魅せたあとは、主要登場人物のハイライトを挟んで、帰還のシーンで締めくくる。あざといとも言えますが、これだけの長尺に及んだシリーズなのですからこのくらいでちょうどいい。未練がましく、原作における次のシリーズへの伏線になる台詞までそのまんま使ってしまっているのはちょっとどうかとは思うのですが、まあ万一復活したときのことを考えたら外せないのも事実です……ただ、次のシリーズをやるとしたら、1年じゃ済まないと思うんですが。
途中では盛んに呆れまくっていたシリーズですが、そういうところまで含めて楽しんでいたのは事実でしたし、終盤でなかなか意地を見せてくれたので良しとしましょう。1年間お疲れさまでした。
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