桃子は職場の同僚・美樹に無理矢理オーディションに参加させられる。まあ当然の如く歯牙にもかけられなかったのだが、ここで偶然遭遇した女優志望の元グラビア・アイドルが、最近現れた“鎌男”によって殺害されたために、またしても過去に飛ぶ羽目に。これまで女性の髪を切るだけだった“鎌男”が何故今回だけ凶行に及んだのか……? すっかり慣れてしまった大友もろとも、桃子は真相を追う。
職場にも環境にも馴染んだ分だけ、話に幅が出ています。“鎌男”というモチーフの処理には幼稚さがつきまといますし、動機やその後の展開にも色々と疑問はまとわりつきますが、「一度事件の成り行きを知ったうえで、それを阻止するために奔走する」という桃子の特殊能力をちゃんと活かした筋運びになっている点は評価したい。
ていうかもう私は原作とも関係なく、そしてミステリとしての精度よりも、桃子や大友らのコミカルなやり取りが楽しくて観ている状態なので、その周囲がいい具合に回っているだけで納得していたりします。「ここにも国際派が」発言とか横内警部補との経緯とか、細かな遊びが楽しい。
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