こいつぁ酷い。

　題名に惹かれて『世界の恐怖映像2008！　本当にコワい絶叫スクープ50連発大放出ＳＰ』というのを観ていたのですが、のっけから『ほんとにあった！呪いのビデオ』の有名な作品の引用。しかもナレーションや“Replay”の加工もほぼそのまんまという手抜きぶり。このあとも有名なネタばっかりで、芸能人に取材をさせたものはただ怖がらせているだけ。冷静に観たら呆れる代物でした。……いや、ツッコミながら観るぶんには楽しかったが。これだけ引っ張っておいてオチがあれだというのもある意味では勇敢でした。

　しかし全篇で狙いがまったく理解できません。もともと創作ネタだということが明白な代物を大量に使っていたくせに、創作だと言及したのは、しばらく前にネットで話題になった事故の映像だけ。最後のだってあからさまに不自然なのに何で「嘘でしたー」と断らないんだ。そして大槻教授はなんで終盤で突然登場した。しかも“あれはマジック”と言いながらどんな仕掛けであるのか指摘できない頭の悪いコメントしか出来ていないし。

　もう途中から割り切って観ていたので腹は立ちませんでしたが、はっきり言ってテレビ局の良識、というか知能レベルを疑う代物でした。観ながら脳裏を過ぎったのは、先週の日曜日に読んでいた『嘘でもいいから殺人事件』のいい加減すぎるテレビクルーたちの姿でしたが……正直、レベルは一緒だった……。