記憶のなかの歌はビートルズ。

 前夜、何故かどうやっても寝付けず、ずーっと床の上で輾転反側していました。最終的に、「就寝前に飲む薬忘れてる!」と気づき、慌てて飲んだところでようやく眠れましたが、最後に見た時計の表示は4時半も過ぎていた……母が仕事で8時半くらいまでには家を出る必要があって、その前に叩き起こされますから、寝坊の心配はなかったのですが、問題はそのあとです。
 何だかんだと後回しにしてしまった午前十時の映画祭12、今コマの上映はきょうが最後。明日には全劇場が次のプログラムに切り替わるので、間違っても観逃す訳にはいかない。だと言うのに、この寝不足です……幸いなのは、この映画祭では2回目、それ以前にも何度か観た作品なので、感想を書く必要はもちろん、起きている必要もないことです。やや気楽に観ていられる。
 いつものTOHOシネマズ日本橋にて鑑賞した今コマの作品は、父の死で初めて対面した自閉症の兄と、経済的に追い込まれた弟の旅を描くヒューマンドラマレインマン』(日本ユナイテッドアーティスツ×UIP Japan初公開時配給)
 トム・クルーズ演じる弟の立ち位置が他人事ではなかったもので、なかなか冷静では観られない作品でした。が、さすがにこう何度も繰り返すと素直に楽しめる。障害に対する理解に裏打ちされた、紛う方なき傑作です。序盤、ハッタリやでまかせを駆使して商売し、兄を利用して遺産の分け前を手に入れようとするあたりは絵に描いたようなろくでなしなのに、旅をともにするうちに兄の才能や苦悩を知っていく。そうして最後には、ずっと離れていたはずなのに、兄弟としか思えない姿になっていくのが感動的……最後のきっかけがどーかという気はしますが、わざとらしさは少ない。
 案の定、途中で寝ることなく、そして生理現象で中座することもなく、最後までしっかり鑑賞しました。そのくらい、いい映画なのよね。
 あと、いまさら気づいたのですが、エンドロールの映像にもちょっとした意味がある。更なる驚きを提供するものではありませんが、余韻を深めていて効果的。

 鑑賞後はまたぞろ日本橋ふくしま館へ。老麺まるやが来ているときは、基本的に考えず立ち寄ることにしてます。
 メンマの代わりに、煮込んだ筍が載っているのがいつもと違いましたが、やっぱり安定の美味しさ。先週末、来客にかこつけて食べ過ぎたせいで、いつも通りの透析のペースではドライウェイトまで戻せなくて往生しているのですが、それでも大盛りでいただきました。なにせ、次に日本橋に来られるのはたぶん11月だろうし、この機に堪能せねば。

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