『3年B組金八先生第8期』第20回

 親と喧嘩した夜、美香が金八先生の家に身を寄せたときの姿を、あろうことか週刊誌が撮影していた。美香の懇願で父親も揉み消しに動くが、金八先生は都立二次受験を控える生徒達の動揺を誘わないため、3Bの担任を退く意を固める。しかし、親身になってくれた金八先生が離れていくことに、生徒達は動揺を顕わにした。原因は裏サイトの書き込みではないか、と揉めた生徒達だったが、実はある時期からほとんどの生徒が書き込みをしていなかったことが判明する……

 ああ、珍しく校長がちょっとまともなことを言っている。堅実なこのシリーズの中でも、校長の言動だけは相変わらず不自然なところがあったのが気になっていたのですが、今回の判断だけは管理職として間違っていない。同時に、この人も本心では金八先生を評価しているのがうっすらと窺え、またしても逆に感心してしまったり。

 大詰めに来てふたたび題材となったのは裏サイトですが、安易に“いじめの温床”として採り上げるだけでなく、その位置づけ自体が孕む危険にきちんと踏み込んでいったのが出色です。そしてこれまで積み上げてきたものが一気に炸裂するクライマックスがいい。初めてこれが出て来たときは私でさえ「わざとらしー」と思ったものですが、1話1話蓄積してきたお陰で沁みる沁みる。

 そしてこの期に及んでも、基本的に3年B組の生徒達の話として決着させようとしている辺りが非常に快い。残すところたぶんあと2回か3回ですが、もはや何の心配もせず楽しみにしていましょう。

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