金づるを失って慢性的な空腹状態に陥った鬼太郎だったが、そんな彼を拾ったのは何と時の総理大臣・池垣であった。霧の中から現れた吸血鬼・ジョニーに狙われている、という彼を守ることを約束しにわかに懐に余裕の生じた鬼太郎に対し、やはり飢えていたねずみ男はジョニーに秘書として雇われることとなった。
プロローグでOPタイトルバックの寸劇を再現するセンスがまず素敵。で、それがそのまんま本篇の展開にリンクしているあたりが巧い。
今回はかなりストレートな妖怪退治譚になっています。ていうか少しストレート過ぎないか? と思ってEDを見ると、脚本を担当していたのは朝の鬼太郎でずっと脚本を担当していた方でした。納得。
どうも全般に妖怪たちが間抜けすぎたり、人々の妖怪に対する知識の密度に一貫性が認められないのが相変わらず引っ掛かるのですが、しかし朝の鬼太郎のように安易な人情噺にしたり勧善懲悪で済まされない展開はそれ自体が楽しい。鬼太郎がどんどん無敵になっている一方、いまいち拠り処のはっきりしないねずみ男の右往左往ぶりが変です。こいつを含め、いずれもやっていることは凶悪なのに、何処かネジが抜けていて憎めないのがこの作品の特徴と言えましょうか。
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