晃は非常に悩んでいた。愛弟子・藍華をプリマに昇格させるにあたり、どんな通り名を与えるべきか。更に、親しかったアリスに先を越された心境を思うと、彼女を前に態度がぎこちなくなってしまう。だが当の藍華はむしろ張り切っていた……
……うーん、やっぱりこの脚本家の方は下手だと思う。オリジナルにない会話がことごとく拙い。なまじ直前に原作を読んでしまったからこそ余計に感じてしまうのでしょうけれど、空気が大切なアニメだからこそ、会話の呼吸が大事だというのに。独自の台詞の部分はあからさまに演出もノリが悪いんだよなー。晃が藍華を気遣う場面と、それに対する藍華の反応あたりの不自然さはどうしたものやら。この脚本家の方は藍華メインの話で登板することが多いあたり、愛着があるのでしょうけれど、それ故にどうしようもなく不憫。
そんな感じで、愛着のわりには拙さの目立ったＡパートに対し、Ｂパートは最初の演出でまず度胆を抜かれました。すごく頑張っているのですが、惜しむらくはなんかエロゲのムービーみたいだったことだ……。他、Ｂパートは全般に工夫が見られるのですが、しかしやたらパースの効いたゴンドラとか、ちょっと行きすぎの感がありました。会話が少なく基本アリスの独白中心なのでＡパートのような臭みがない一方で演出を工夫することが可能だったが故でしょうが、さすがにやり過ぎです。意図は解るんですけど。
また、原作ふたつのエピソードを混ぜるにしても、あまりに芸のない接続の仕方が気になりました。Ａパートでの藍華の出来事を思うと後半の言動はやや不自然ですし、その辺を埋めるためにもう少し綺麗に合流させて欲しかったところ。締め括りもわざとらしく、もうちょっとさり気なくして欲しかった。
とはいえ、全体の構成として、このタイミングで持ってくるのは間違っていない。工夫を凝らそうとしているところが多く桁外れて意欲的なので、奏功していなくとも好感は持てるのです。それだけでもーどこぞの作品とは大違いだ。
そして……もう勘定するまでもなく残り２話なのは予告編から一目瞭然です。この流れからすると残り２話は初期シリーズの主力がまとめて投入されそうで、いまから期待が高まります。
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