冬だというのに運動会。千秋は救護係を担当することになり、連日準備に追われる。例によってこき使われているフユキの態度に苛立つが、実は彼がまた引っ越すことが決まっていることを、千秋はまだ知らない……
……なんかなあ。本当に、フユキをいい子に描きたいばっかりに他のキャラクターを粗雑に描きすぎている。冬馬ってここまで手を抜きたがるキャラクターではないでしょうし、まして今別の仕事をしている人間に更に何かを押しつけるなんて、そこまで無神経ではないでしょう。完全に“頼られているフユキ”という状況を描きたいばっかりに、何もかも不自然にしてしまっている。
だがそういうことを抜きにしても描写がやたら不自然極まりないのは相変わらずです。前半、高校生三人組が話している場面の色遣いはどう見ても夕方なのですが、春香は家の仕事があるので早い時刻に帰るはずで、そうでなくてもアツコやマキはバレーボール部なんですから、すぐに移動しているはずでしょう。ていうかそれは脇で覗いている保坂も同様だ。運動会の最中も、今日日の小学校では絶対に選ばないだろう代物を指定する借り物競走とか、明らかに嫉妬の基準がおかしくなっている藤岡とか、冷静に考えれば解りそうな不自然な要素が山積み。
これまで意味不明だ意味不明だ、と言われ続けていた黒いモブキャラは、さすがに運動会というモブだらけのイベントということもあってか排除……こういうことを想定していたらはじめからモブキャラを黒くする必要なんてなかっただろうに。それ以上に、しばらく前に春香に無茶苦茶な提案をしているときでさえ黒塗りだった教師が今回ちゃんと顔が見えているのに逆に釈然としないものを感じたり。普通……そういう位置づけだったらはじめから顔出させないか……?
だが何よりも最低なのは、フユキの退場のさせ方。さすがにそれは酷いだろう! 必要がないと言われ続けて、私も不必要だと思っていたが、『みなみけ』らしい筋に邪魔だったと言ってもこんな風に退場させる必要はないだろ。だいいち、いくらなんでも千秋が気づかないわけないだろー! この製作者たちのリアルっていったい何処にあるんだ?!
で、ひとつの懸案が行方をくらましたあと、ほったらかしていた別の、しかしやっぱり『みなみけ』の作品空間からすれば不自然な伏線がいまさら機能して、最終回も酷いことになりそうな気配濃厚です。現時点で最悪の事態を回避するネタが幾つか思い浮かぶのですが……いずれにとしても、酷い話運びであることは否めない。
今回、原作エピソードはあまり使っていませんでしたが、もうそれだけで如実に詰まらなくなっている。先週はまだ多少なりとも笑えたのに、今回はクスリともせず。案の定というか、第4〜6話あたりに匹敵する駄目な出来でした。……昨晩はTV用ソフトにトラブルが生じて、番組が始まってもなかなか録画が始まらない、という有様になって、冒頭が録れていなかったのですけれど、それがまったく惜しくありません。ひでえ……。
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