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本日のＢＧＶは『スナッチ』でした。私が映画道楽に嵌るきっかけとなった幾つかの作品の中でも、最も思い入れが深い１本です。そもそもはブラッド・ピット主演最新作ということで観に行ったのですが、今にして思えばブラッドはパーツのひとつに過ぎず、個性的でお馬鹿なキャラクターたちの右往左往が交錯していく様の面白さこそツボでした。これで注目したベニチオ・デル・トロは本数こそ少ないもののいい作品に出演してくれているし、いちばん露出の多い語り手を演じたジェイソン・ステイサムはいつのまにやらジェット・リーと張り合えるくらいのアクション・スターに成長したし、そういう彼らの出演作としても未だにユニークな位置づけにある本編は、私にとって忘れがたい１本なのです。何せ部分的ですが台詞もちゃんと覚えてるもんなあ。
しかし、監督のガイ・リッチーはというと……。マドンナと結婚したことがそもそもの間違いのような印象を齎していますが、実のところ彼は『スナッチ』までの２作で評価された、個性的なカメラワークや、やたらとユニークな人物造型がそのまんま恋愛映画にも応用できる、と勘違いしたのがいけなかったのだと思うのです。『スウェプト・アウェイ』がそんな感じで派手にコけ、続く『リボルバー』では製作にリュック・ベッソン、主演にジェイソン・ステイサムを招いてふたたびクライム・ストーリーに挑み起死回生を図ったようですがこちらも世評は散々、同作はベッソンのヨーロッパ・コープと提携しているAsmik Aceの配給で日本での公開が予告されてましたが、昨年からずっと予定に連なったまま具体的なスケジュールが未だに発表されない有様。ワーナー配給の最新作『Rocknrolla』の出来次第ではほんとーにヤバい気がします……キャラクター作りと映像のセンスは優れているので、何とか復活して欲しいんですが。
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