大統領指名大会の行われる日。厳戒態勢の整えられた街にゴルゴが現れた。彼が車に乗せて持ち込んだのはプラスチックの拳銃一丁――しかしダッチェス捜査官は彼の姿を目にすると、必ず何かをやらかすと直感し、監視を行う。武器を手にする気配がないまま、いよいよ指名大会が始まった。この状況で狙撃を行えば、袋の鼠も同然。果たしてゴルゴはどのように犯行に及ぶのか……?
個人的にゴルゴ13はその驚異的な狙撃術がクライマックスに来るものか、知的な駆け引きを堪能できるエピソードが好きです。その目からするとこれはアニメ版ではいちばん納得のいく話。何気ない行動の意味が終盤で解き明かされていくカタルシスは秀逸です。
しかし今回は演出が少々乱暴だったのが気に懸かりました。芝居がかっている、というよりは、作画の省力化を図りつつインパクトを演出したかったのでしょうが、効果線を多用したりカメラをぐるぐる回したり、というのはほとんどギャグにしかなってません。
シナリオ的にはほぼ不満なしでしたが、演出や作画面で物足りなさを感じる1話――まあ、長期シリーズであることを考えれば、これでも均質であれば文句をつけるところではないんですけど。来週は、特別編集の文庫版で読んだばかりのエピソードを扱うようですが……なまじもとの話を知ってると点数が辛くなるんだよなあ……。
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