『ゴルゴ13』Target.9 檻の中の眠り

 孤島に設けられた、完全に脱出不能の刑務所。職員たちが娯楽感覚で囚人を暴行し、殺害するこの世の地獄に、新たな囚人が送り届けられた。597号と名付けられた男の正体は、ゴルゴ。大量の罪状を抱え、無期懲役に処されていた彼は、だが意図的に問題を起こして、所長権限で死刑囚に変更されると、死刑囚監房に移送される。そこで隣に入ったザラスという囚人に、ゴルゴは脱走計画を持ちかける……

 ゴルゴの仕事が単純な狙撃に収まらないという話……なんですが、しかしどうも全体に微妙。この仕事を成し遂げるためには、所長らの反応をかなり的確に読めていないと難しい。それより何より、ラストでの行動に、あんな大仰な銃は必要なかったのではないでしょーか。それこそ、大統領候補の登壇で厳戒態勢の街に凶器を持ち込んだときと同じ、ごくシンプルな銃器で間に合ったはず。

 作画のほうも、濃さは保持していますがそれにつられて全般に歪み気味。シチュエーションも発想も好きなのですが、どうも細部に不自然さを強く感じさせてしまうエピソードでした。原作通りなのかなあ……原作も実はこーいう妙なのが紛れ込んでいたりするので、ある意味本当に原作をよくなぞってると言えるんですが……

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