『猟奇的な彼女』10回戦

 夜道で襲われた南の容態は決して思わしくなかった。神経を損傷しているために、1年間はリハビリが必要だという。折悪しく、凜子には1年間の海外派遣の話が舞い込んできた。もともと天涯孤独であり、事件に傷つき、教授との関係も悪化し、孤独感を募らせた南を前に、凜子は三朗を独占することに罪悪感を覚えはじめる……

 ……ほーらどうしようもなくなってる。こんなに暗い話は『猟奇的な彼女』という主題に相応しくない、っていうか、ちゃんとここまでにコメディを積み上げてこういう展開だったらまだしもクライマックス前の波乱と許せるんですが、ぜんぜんコメディじゃなかったのにこんなことやられてもなあ……。いちおう三朗や凜子の人柄はちゃんと描けているんですが、南を絡めたせいで何もかも台無し。いや、絡めても良かったんですが、ならもうちょっと考えて構成しましょうよ。はじめから運命の人云々のくだりを挿入するんじゃなく、ここまででコメディに絡める感じで幼馴染みという微妙な距離感を活かした接し方をさせて、その上で今回の展開ならまだしも許せたでしょうに。

 で、ここまで違う展開をさせたのなら、もう映画とは別々にしてくれたほうが良かったんですが、最後に原作でいちばん印象的な部分を使ってしまう気の利かない作り。いや、初回の時点ではまだ良かったんだ。ここまで方向性が違っているのに、泣かせたいだけでこのシチュエーション使うなよっ!!

 しかし、来週の最終回は、このうえまだ更にひどい方向に進めるらしい……ハッピーエンドはお約束としても、その成り行きはあんまりだろ。他のキャラクター雑に扱いすぎだろ。もうここまで付き合ったので最後まで観ますが……仮に起死回生の一手があったとしても、もう及第点をつけることは無理だと思う。

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