とりあえず今日はのんびり過ごす、と決めたのですが、そういやこれに触れてないな、と気づいたので、せっかくですから取り上げておきましょう。
実は、iPhoneユーザーになってました、いつの間にか。
契約した時点ではまだ料金プランが使い放題の定額でしたから、覚えている方はどれくらい前のことか察しがつくでしょう。ですから、けっこう色々と乗り越えてきています。せっかく余裕があるんですから、ちょっとまとめてみるとしましょう。
初期――事実上使い物にならない時代。
購入直後は、正直言ってほとんど使い物になりませんでした。自宅だけならまだしも、自宅近辺での回線状態が劣悪で、ちょっと建物の奥に入るとあっという間に圏外になってしまう受信性能の悪さもさることながら、私のように携帯電話を仕事のメモなどに用いる者にとって致命的なのが、日本語入力のズブさでした。
フルキーボードはあまりにボタンが小さく表示されてしまい、押し間違えが多くなるので問題外。で、テンキータイプのものを主に利用しているのですが、これが実に鈍い。あ段の文字が配列されており、どれかを押すとそれぞれの行の文字が十字に表示され、それを選択して入力、となる。
しかしこの過程がしばしば反応しなくなる。音楽を聴きながらやっていると音飛びが起きることもあるし、音楽を流していなくとも長時間メモ帳やメールソフトを使っていると反応が遅くなる。果ては強制終了されることもあり、正直作業につかえるレベルではない。
メインとなるブラウザのサファリも安定性に問題があるうえ、Flashに対応していないため、正常に閲覧できるサイトが思いの外少ないのもネックです。
そして個人的にいちばん困ったのは――市販のイヤフォンが利用できないこと。添付されているのは耳の穴に嵌めるオーソドックスなタイプなのですが、私はこれがとても落っこちやすいので、非常に苦手意識がある。そこで、できれば従来使用していた、耳の裏にフックを引っかけるタイプが転用できれば幸いだったのですが、このiPhoneのコネクタは、普及している3極ではなく、4極。いちおう音を聴くだけは3極でも使用できるのですが、曲のスキップなどコントロールがまったくできないのです。
iPhoneはBluetooth規格に対応していますが、しかし妙なことに通話のみで、音楽の再生は不可能。そんなわけで、現在も所持しているauの携帯電話を新調したとき同時に購入したレシーバーを用いることもできず、けっきょく標準添付のイヤフォンを使わざるを得ない。
これまでiTunesに貯めこんだ音楽をそのままの音質で転送できるし、この分野では経験値が多いので、聴く分には非常に満足なのですが、ケーブルが邪魔だし耳から何度もイヤフォン抜けるし……音に不満がないだけに、よけいに苛々させられるのでした。
アップデート2.0以降――突然使い勝手が向上する。
そんな感じでもまあ、電話や最低限のWeb機能を搭載したiPod、と捉えれば、とりあえず納得できるので、騙し騙し使っていたところ、購入半月ぐらいでファームウェアの2.0が登場。早速アップデートしてみると――もう、同じ筐体とは思えないくらい使い勝手が改善しました。
報道もされていた通信環境が改善されて、圏外になることが頻繁だった自宅でもアンテナ3本がだいたい確保できるようになったこと、バッテリーの消耗が抑えられたことがAppleサイドではいちばんのポイントだったようですが、やっぱり日本語入力がスムーズになったことが嬉しい。
相変わらずときどき処理は遅くなるのですが、あくまでときどきなので、キーの位置が把握できれば、思考する速度に近いレベルで入力することもできる。従来は不可能だった連文節変換にも対応しています――が、こっちは長文になると途端にぎこちなくなるし、固有名詞や一人称で通常と違う表記をしようとするとなかなか対応しきれないので、けっきょく単語ごとに変換せざるを得ず、あんまり利用しておりません。しかし、単語ごとに変換しても充分な入力速度が確保できるので問題なし。
また、このアップデート以前に、iPhoneでのテキスト入力用に、標準添付されているメモ帳ソフトではなく市販のiNoteというものを導入しており、アップデートと併せてテキスト作成面ではかなり使い勝手が良くなりました。テキストファイルそのものを作成・送信ができず、メールソフトを利用してPCに送ると変な改行が挿入される、また全角スペースが使えない、という日本人の感性からするとあり得ない仕様がまだまだ気になりますが、備忘録やメモ代わりとしては充分に使えるレベルになりました。既に出先でmixi用の映画感想をまとめたり、などでは活用しております。
そしてもうひとつ、どうしても耐えがたかったイヤフォンの問題も、本日ついに解消しました。先月末に、iPhone対応のBluetoothアダプタが発売されており、店頭で確認したところ、私が持っているレシーバーで音楽も、通話との切り替えも可能であるということなので、イヤフォンもケーブルも一気に解消できる! と購入を決意した次第。けっこう値は張りますが、実のところ、3極のコネクタとマイクを搭載したケーブルというのも発売されていて、これがいちばん高いものはほぼ同じ価格帯なので、そう考えるとレシーバーがあるならBluetoothを利用したほうがいい。午前中、プリンタのインクを買いに行くついでに仕入れて、帰宅後すぐに動作確認したところ、やや癖はあるものの、ちゃんと利用できました。ああ、これで移動中のストレスが軽減される。ケーブルが引っ掛かったりイヤフォンが抜けたり、ちょっとしたことではあるのですが、気分が腐っているときはけっこう苛立つものなのです。
あとは、せめてコピー&ペーストができれば、私にとってはほぼ万全なのですが……こればっかりは、タッチパネルに依存したシステムそのものに最適の方法がなかなかないので、難しいだろうな−。
何にしても、最初はバグだらけでしたが、ちゃんとフィードバックしているのが解るので、今後も使い続けられそうです。……あとは従来機で噂に聞く、電池パックの妊娠現象が発生しないことを祈るばかりだ。
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