購入直後に手をつけて、実に半年近く費やしてやっと読了。むろんずっととっかかったままではなく、あまりに退屈なので途中幾度も浮気して半分あたりで完全封印、先月末あたりから再開して、ちまちまちまちま、1日5ページとか10ページとか消化し続けて、本日やっと片づいたのです。
如何せん古い作品なので方向性が掴めなかったせいもあったようで、慣れてくるとけっこう面白い。社会主義者の観点から描かれていますが、出来事は決して偏っていないし、1920年頃の世界情勢や風俗を織りこんだ物語は資料的な意味でも興味深い。主人公となる、石油王の息子の恋愛模様や、終盤における破滅のくだりは、それまでの退屈さを補って余りある迫力でした。
しかし、もともとこれが『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』の原作だと知って、予習のつもりで読み始めたのに、読み終わってみたらもうとっくにDVDもリリース済……。実のところ、映画では序盤1/3のみ、しかもその人物像や価値観を下敷きにしているだけでほぼ別物なので、予習という意味では鑑賞時点で済んでましたし、そもそもあんまり予習する意味もなかったりする。まあ、読んで無駄とは感じなかったので良し。
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