『ゴルゴ13』Target.30 ラブはナイフ

 元サーカスのナイフ芸人だったベンは、ゴルゴ13の名を騙って仕事を引き受け、大金をせしめる。彼と共に旅をしていたナタリーは、充分に稼いだのを契機に裏稼業から手を引くことを提案したが、すべて彼女の言うがままだったことに歯痒さを感じていたベンは、自分がゴルゴに取って代わることを目論む……

 なんかすっかり安定してきて、いつの間にやら安心して観てます。いや、作画はけっこうよれているんですが、その枠の中で出来ることを自分で認識してやっているのが心地好いのですよ。

 今回は、これだけ続いていればいずれ出てくることは想像できた偽ゴルゴ。但し、滋養鏡設定の説得力にはこだわりのあるシリーズだけあって、闇雲に偽物の部分を強調したりはしていないですし、ゴルゴの圧倒的な能力に対する立ち位置も絶妙。出来ればもう一踏ん張りして欲しかったところですが、あの程度だから最後の虚無的な余韻に繋がっている。

 もうちょっと、ゴルゴ本人が立ち回る環境に工夫があれば文句はなかったのですが、今回も出来はなかなか。

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