『ゴルゴ13』Target.33 誇り高き葡萄酒(ワイン)

 先週分の感想をアップしてませんが、きりがないので飛ばして最新分の感想をば。

 ワインのオークションに、日本人の柳田という男が現れ、最近場を荒らしていた。多額を投じて名品を買い占めると、保管することなく口にしてしまう彼を、フランスの酒造業者であるアルベールは忌み嫌い、あるオークションで年代を偽って出品、柳田に競り落とさせて悦に入る。だが、その悪意に満ちた行為が、逆にアルベールを窮地に追い込んだ……

 今回は、ゴルゴという“職人”がどういう形で事態に関わっていくのか、というのが序盤のポイント、そしてクライマックスの芸術的な狙撃へ、というパターン。あまり派手な動きがないせいなのか、全体的に絵が安定しています。時として身体と頭のバランスが悪くなるゴルゴも落ち着いていました。

 依頼人の動機は日本人の観点からするといまいち同情の余地のない人物、ですが必ずしも心情は解らなくもない。そしてそうした土台が結末の、文字通りに苦い余韻に繋がっている。あのやり取りのあとに、依頼人の最後の台詞があるのが絶妙です。ただ、そこでもう一回ゴルゴの台詞を反復するのはどうかと思いましたが。

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