『イノセント・ラヴ』第七話

 奇跡か運命の悪戯か、昏睡状態だった聖花が忽然と目を醒ました。三年間に及ぶ脳機能低下のために障害が残る危険はあったが、殉也は歓喜する。だが、まだ言葉も動きも不自由な聖花は、佳音に対してあからさまな敵意を、そして殉也に対しても奇妙な態度を取り始めた。彼女が自発的に動いたのは、昴と久々の再会を果たした、その瞬間だった……

 今回は全篇、聖花に引っ張り回される話。しかしこれでやっと、どうして昴が彼女を“ひどい女”と表現していたのか、彼女から殉也が解放されることを望んでいたのかがよく解りました。明確な伏線は張っていませんが、これは確かに頷ける成り行きです。そして、なんというか、全員辛い。前回まではどこか安易さの隠せなかったソープドラマでしたが、ここに来てやっと複雑な感情の入り乱れる恋愛ドラマに発展してきた感じ。本来主演の堀北真希が傍観者になってしまってますが、困ったことにこういう位置づけで見せる切ない表情がいいんだなあ。

 ただ、せっかく長尺のドラマなんですから、1話まるまるこの展開に割きたかったにしても、もう少し本題のひとつである佳音の過去についての叙述が欲しかったところ。記者の池田がちゃんと嗅ぎ回っている姿は織りこんでいるとは言うものの、聖花の件でそれどころではなかったとは言い条、佳音がその辺をすっかり忘れているような印象でした。まあ、それがいいのか拙いのかは、この先の成り行きを見届けないと判断できないんですが。

 この痛々しい流れをかなり引きずったまま来週へ。もう少しぼかすのかと思っていた背景を最後にあの人がストレートに持ちだしたのが引っ掛かるんですが、それもまた今後次第です。

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