- 『Dr.HOUSE Season1 Vol.1』(GENEON UNIVERSAL ENTERTAINMENT)
現在、私にとって毎週火曜日深夜の楽しみになっている海外のドラマシリーズ『Dr.HOUSE』。しかし観始めたのが10話くらいからなので、最初から順番に借りてみることにしました。で、届いたものをさっそく鑑賞。
「患者は嘘をつく」という意識から診察を嫌い、梗塞が原因で右脚が麻痺しており、そのせいで鎮痛剤に依存している変わり者の医師グレゴリー・ハウスが、部下3人と共に症状の判然としない患者を手懸け、試行錯誤を繰り返しながら病気の正体を解き明かしていく、謎解き志向の医療ドラマです。
人間ドラマやお涙頂戴に傾きがちなこのジャンルで、専門知識主体ながらけっこう解り易くミステリ・ドラマに仕立て上げている、というありそうでなかった感覚が素敵なんですが、第1話にしてスタイルがほぼ確立している。ハウスを信用していいんだかいまいち判断しかねている部下たちと、そんな彼らを皮肉混じりに煽って駆り立てるハウスとのやり取りや、診察嫌いなのに何故か毎回本筋とは異なる患者を問診している(その理由は第1話で描かれてました)とか、シリーズのお約束がほぼ出揃っているのです。この練り込みの確かさがあちらのドラマらしい。
名称や設定からして、たぶんシャーロック・ホームズを意識しているんだろうな、とは思ってましたが、第1話・第2話はその傾向がより露骨です。特に第2話の以下のくだり。夜驚症に悩まされている少年が入院中に行方をくらまし、部下や看護師たちが右往左往する中、ハウスだけがさっさと帰宅しようとする。言っても聞かないから、と上司を放って捜索を再開しようとする部下に向かって、可能性の高い場所をさらっと指摘してみせる。理屈自体はとてもシンプルですが、見せ方はもう思いっ切り名探偵もの。専門知識が多いので、まず視聴者が先読みすることは不可能なんですが、病の正体を特定する過程のスリリングさにしても、私にはごくごく正統派のミステリに見えます。
ほんとーに、何でつい最近まで存在を意識してなかったのか、自分でも不思議でならない傑作。このあとも引き続き追っかけてみます。
ちなみにこのシリーズ、『ユージュアル・サスペクツ』や『X-MEN』シリーズのブライアン・シンガーが製作総指揮を担当していますが、第1話では自ら監督もしています。どちらかと言えばパターンを確立するためのエピソードという感じで、私は第2話のほうがお気に入りでしたけれど。
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