ラス・ヴェガス周辺の砂漠で発見された白骨化死体。5年前に行方をくらました検事のものと推定されるその遺体からほど近くには、真新しい女性の屍体も転がっていた。ギャンブル絡みの犯行が疑われるが、殺害された状況が特定できない。様々な事実から、女性の意外な経歴が判明すると、現地で調査をしていたブレナン博士とブース捜査官は、思い切った手を打つ……
犯人像自体にあまり意外性はありません。終盤、事実に辿り着く過程もちょっと強引で、そういう意味でのカタルシスには乏しいエピソードです。
しかしこの話で面白いのは、女性が生前にしていたことの驚きと、それを割り出す過程そのものであり、もうひとつ、現地にて真相を探るコンビが見せる意外な姿でしょう。特に後者は、ブレナン博士の石頭ぶりと同時に柔軟性も垣間見ることが出来ますし、最近あまり“もと軍人”らしい活躍のなかったブース捜査官に思わぬ見せ場をも作っています。
少しブレナン博士をあちこちに駆り出しすぎじゃないか、という疑問は否めませんし、最後の手懸かりがいささか大雑把なのが気になりますが、このシリーズならではの面白さが味わえるエピソードでした。
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