目覚めたとき、ブレナン博士とホッジンスは地中にいた。被害者を地中に埋めて身代金を要求、以降一切交渉はなし、きちんと支払われれば解放するが、さもなければ酸素不足で窒息死させる通称“墓掘り人”の魔手にかかったのだ。タイムリミットは12時間。ブース捜査官たちが“墓掘り人”を追うあいだ、しかしブレナン博士たちもまた、安穏と死を待ってはいなかった……
第8話はシリーズファンなら分かる“らしさ”でしたが、こちらは登場人物たちの個性をほぼ遺憾なく活かしたうえで、初心者が観ても楽しめるサスペンスに仕上がってます。衝撃的な導入から過去に遡り、ふたりが地下の車中に閉じ込められるまでの経緯を描く。地上では、脅迫電話でふたりの誘拐を知ったブース捜査官たちが懸命の調査、捜索を続けるなか、地下のふたりも身辺にあるものをフル活用して生き残りを図る。
ただ、この事件の犯人、手口が込み入っている割には色々と細かなミスを犯したり、役に立たない可能性が高いとはいえ、あれこれと被害者の持ち物を残してしまっているのがちょっと解せない。特に携帯電話なんて、分解してもその場に放置するのは安易すぎやしないか。
そして、ふたりが生き残るのは明白にしても、事件を巡るある展開をちょっと微妙だ、と感じる人もいるかも。まあ、シリーズものなので、こういう進め方もありではあるんですが。
しかし、諸々の欠点を承知しつつも、面白さという意味では断トツの仕上がりでした。メンバーでは唯一ブレナン博士に近い思考回路を持つザックも大活躍してるし、ギリギリまで危機の続く緊張感は素晴らしかった。
今回、やたら不運だったように見えたのはホッジンスですが、その分最後に見返りがあったので、きっと悔いはないでしょう。他方でブレナン博士とブース捜査官は相変わらず微温的な関係を保ってますが、シリーズ的にはそれでいいのです。ふたりが急接近するとき即ちシリーズ終焉の時、だと思うし。
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