父親と遊園地で遊んでいた少女が、さほど怖くないはずの遊具で突如絶叫した。ハウス医師は例によって細かな兆候から診断して治療を行おうとするが、大別してふたつの問題が彼を苦しめる。ひとつは少女の両親が険悪な関係にあり、治療のたびに意見が対立すること。もうひとつは、ハウス医師の薬物犯罪を疑う麻薬捜査官トリッターが、ウィルソン医師のみならず部下たちの口座を凍結し、周辺からハウス医師を締めつけていることである……
身辺の締めつけにより、バイコディンを入手したくても出来ない状況に追い込まれ、平静を装っていてもどんどん精神的に切羽詰まっていくハウス医師。相変わらず診察眼は冴えている――ように見えますが、しかしいつもよりも空振りの率が高い。挙げ句の果てに辿り着くクライマックスはちょっと慄然とします。
ハウス側の物語がかなり緊迫しているせいで、患者側の出来事の印象がやや霞んでしまっているのが気になりますが、しかしこちらのアイディアもけっこう優れています。医学知識こそ必要ですが、ちゃんとちりばめられてあったヒントを紡ぎ合わせた真相には唸らされます。確かに、こういう形で発症されたら誤解するだろーなー。本当に見事。
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