審判のためにリハビリを受け始め、改心したかに見えたハウス医師だったが、けっきょく彼は変わらなかった。カディ医師は審理での貸しをひけらかし、彼に外来診察をさせようとするが、色々な策を講じて逃げ出そうとする。だが、そうして診察した患者のひとりが、レイプの末に性病を患ったことが判明すると、話は妙な方向へ転がりだした。何故か彼女はカウンセラーとの面談を拒み、ハウス医師との会話を望んだのである……
シリーズのメイン・クリエイター、デヴィッド・ショア脚本による、シリーズ前半の締め括りにあたるエピソード。シーズン2のラストもそうでしたが、この人が担当する場合は、普通には治療不可能なケースを扱う傾向にあるのでしょうか。
序盤はまるでシーズン1のような軽妙なやり取りが中心となっています。後半でも色々とシリーズ通してのトラブルが相次ぐようなので、その中休み的な意味合いもあるのでしょうが、無理矢理外来から逃げるくだりや、そんな彼を診察に駆り出すカディの手管が素晴らしい。ウィルソン医師とのやり取りも、ようやく穏やかさを取り戻してます。
しかしそんなハウス医師を悩ませるのは、基本的に健康体であるが、心はこの上なく傷ついている女性の要求。いくら拒絶してもすがろうとする彼女に、ハウス医師はカディ医師やウィルソン医師のみならず部下たちにも助言を求める、という。
このエピソード、終わったところで基本的に何も解決していません。恐らく最後のハウスの述懐を引き出したいがために、ある意味有り体で、ハウス医師にとっては携わる必要のない患者を設定したのでしょう。このエピソードの原題は“One Day, One Room”。まさに、ある日、ある部屋でだけ起きた、一瞬の事件。こういうエピソードが成立してしまうのもまた、『Dr.HOUSE』というシリーズの豊饒さを示していると言えましょう。
……あいだにやたら多忙になったり、レンタルDVDばっかり観続ける期間を挟んでしまったため、3ヶ月もかかってしまいましたが、ようやくシーズン3のBOXセット前半をすべて鑑賞。さあこれから後半だー!
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