以下は前日、更新後の出来事。
東京国際映画祭の特別オープニングは鑑賞出来ませんでした、が、それ以前に今日は毎度の深夜イベントの日程でもあり、考えようによっては気楽になって良かった、とも言える。ギリギリまで作業をし、いつもより少しだけ早く夕食を摂って、電車にて移動……徹夜のあとで自転車を漕いで帰宅できる自信はありません。
イベントの前に、封切り日でもあるので映画を1本は鑑賞しておきたい、というところまではいつものように気持ちを決めていましたが、肝心の作品を、実は現地入りした時点でまだ選びかねていました。本日は、今年特に待ち焦がれていた作品がふたつほど封切られていて、出来ればその1本を押さえたい……のですが、悩んだのは、そのふたつとも、平素よく訪れるTOHOシネマズとユナイテッド・シネマのどちらかにかかっていた。公開規模が大きいので、どちらも新宿のシネコンでも上映されているのですが、どちらもこのチェーンではない。つまり、ポイントなどの利点が少ないわけです。
そのうち片方については、後日ハシゴしやすいスケジュールを見つけているので、そこで何とか鑑賞するつもりでいるため、候補は封切りの1本。悩んでいるのは、昨今珍しい2ヶ月というロングラン、しかも行くつもりの劇場には今日入ったばかりで、まだしばらく続きそうな気配がある――とはいえ、こちらも公開当初、条件がよければすぐにでも鑑賞したかったのにずるずると見送っていたものなので、そろそろ押さえておきたい。
2本のあいだで迷い、実際、片方の劇場を通り過ぎて、もう一方の映画館に赴こうとさえしたのですが、結局踵を返し、駅にほど近い新宿武蔵野館へ。ロングランのほうを選びました。封切りのほうは、東京国際映画祭が終わったあとにでも、意地で駆けつける。
そうして鑑賞したのは、イギリスの作家ロバート・ハリスによる原作をロマン・ポランスキー監督が格調高く映像化したサスペンス『ゴーストライター』(日活配給)。2ヶ月近く二の足を踏んでいたのには、予習するつもりで購入してあった原作に手をつけられずじまいだったから、というのもありますが、もーこれ以上引っ張ったら見逃しかねないので、考えるのはやめました。サスペンスなので、予備知識は最小限のほうが愉しめますし!
しかし、前評判の良さにロングランの実績からも解るとおり、これは盤石の出来映えでした。ところどころひねりすぎていないか、という部分もありますが、語り口も謎の張り巡らせ方も、そして解き方まで成熟した手捌きが行き届いていて、“上質”という言葉がよく似合う1本。劇場に入ってもまだ封切り作品のほうに未練があったのですが、これはこれで、拾っておいて大正解でした。いや封切り作品もいずれ、絶対に観るつもりですが。
徹夜イベントについては、『ゴーストライター』の詳しい感想を挟んでから軽く触れます。
コメント