相変わらずの多忙、生憎の梅雨空ですが、諸々のスケジュールを照らし合わせた結果、今日あたりに観ておいた方が良さそうだったので、夕方から電車にて渋谷へ。早めに現地入りし、ファストフードにでもしけ込んで作業を進めるか、と考えていたのですが、先にちょちょい、と済ませるつもりだった買い物に予想以上の時間を費やしてしまい、iPhoneでちまちま進めている別の作業に手をつけてお茶を濁す。肩が痺れるような思いをしてノートパソコン持ってきたのに、広げる余裕はありませんでした。
訪問したのは渋谷TOEI、鑑賞したのは『ロボット(完全版)』(Unplugged配給)。もともと3時間近い尺だったものを、日本での劇場公開のために一部のシーンを削除していて、決してその判断は誤りではなかった、と思ったものの、昨年の東京国際映画祭で完全版の混沌とした魅力に惹かれた者としてはどーしても物足りなかったので、何処をカットしたのか、という点の検証も含めて、完全版を改めて鑑賞しておきたかったのです。
……ただまあ、やっぱり3時間は長い。そうでなくとも昨晩は4時の就寝で眠気が強いのに、いちど観た作品、しかもつい先日、日本公開版で主要シーンは確認済だという前提ではちょっと辛い。全般に眠気に苛まれつつも、最後まで観てしまうのもこの作品のパワー故ではある。
それにしても、ちょっと驚いたのは、覚えていた以上にカットした場面が多かったこと。サナへの愛を歌いあげるシーンと、突如意味もなくマチュピチュで繰り広げられるダンス・シーンが全カットなのは一目瞭然だったんですが、他にもチッティが感情を与えられる以前にあったミュージカル・パートがぜんぶ切られていたり、ボラ教授の暗躍や間抜けな助手ふたりのやり取りなどが細かく外されている。
まあ、他の“切ってはいけない”シーンと天秤にかけると優先度は低いから……というか、恐らくインド以外の国で普通にマーケティングする、と考えた場合、切って当然のところばかりなので、日本公開版の作りは正解だったと思う。特に、サナがチッティを使ってカンニングするくだりは、焦点が大いにぶれているので、なくてよかった――まあ、面白いのは面白いですし、あれこそ本篇の奔放な魅力の象徴でもあるんですけど。
ともあれ、もし『ロボット』を日本公開版で観るか完全版で観るか迷っている方は、意外と正統派のSFがお望みなら夾雑物の少ない日本公開版を、“何でもあり”のみっちりつまった魅力を堪能したいなら完全版を、という具合にお選びください。ただ、比較するつもりなら、気力体力が充実していない限り、あまり間隔を置かずに観るのは避けるように。凄く疲れます……今の私がそうなのだ。
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