彼女の着信音ぐらい変えてやれ。

 明日、東京では雪の予報が出ています。しかも先月、成人の日に近いレベルで積もる可能性まで示唆されている。JRは時刻表を間引きする、という話ですし、先月に痛い目を見ているひとはそれぞれに対策を準備している頃合いかも知れません。

 そういう日に私のすることと言えば……やっぱり映画鑑賞だったりする。今週は予定が立て込んでおり、映画館に行く理由はあるものの、これまでに見送った作品を鑑賞するのに都合のいい日は今日か、明日の午前中しかない。どう考えても明日の午前中は陽気の上でアウトなので、必然的に今日出かけるしかないのです。

 ……などと言い訳しつつ、夕方に赴いたのは、1日と同じくTOHOシネマズ西新井。選んだ作品は、動けるようになったテディ・ベアがそのままオッサンになってしまった、というアイディアと、R15+という高いレーティングを受け入れたユーモアが好評を博し、本国のみならず日本でも予想外の大ヒットを遂げているテッド(吹替)』(東宝東和配給)。もともとは初日に字幕で観るつもりだったんですけど、アレな事情で先送りしてしまったのがずーっと心残りだったのです。

 いい意味で期待通り、いい意味で品のないコメディでした。振り切れすぎたおっさんテディ・ベアを軸とした、ダメ人間の生態が皮肉たっぷりに、しかし程良い愛情をもって描かれているので、ひたすらに愉しい。しかしこの作品に好感が持てるのは、実のところジョンの恋人ロリーの存在が大きいと思う。彼女の“大人”ぶりが、自分のバカさ加減に自覚的なジョンとテッドのコンビの振る舞いを素直に笑えるものに抑えている。ノラ・ジョーンズら実在の著名人の使い方もうまく、なるほどこれはヒットするわ。

 いつもは字幕で鑑賞するのが常の私ですが、よっぽど演技下手だったり、タイアップが見え見えすぎる配役でもない限り基本的に抵抗はありません。が、そういうのを抜きにしても今回は、タイトル・ロールであるテッドに有吉弘行を配する、というキャスティングが面白そうだったので、悩んだあげくに吹替で鑑賞しました。……想像していた以上に嵌まってました。如何せん、タレントとしてのイメージがしっかり固定されているので、しばし顔が出てしまうのですが、気づけばそういうのを意識せずに受け入れてしまうくらいのハマりっぷり。この作品、想定外のヒットから続篇の噂が立ってますが、実現するなら次も是非有吉に演じて欲しい。

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