悩みに悩んで、高校生。

 週末は基本、封切り映画を鑑賞する日、と定めておりますが、今日は悩みました。いちおう、今日観るならこれ、と狙いをつけていたものはありましたが、行こうと思っていた劇場はどこも微妙に上映開始が遅い。それなら、公開済の他のものにしようかなー、と昨晩から悩み、今朝になっても気持ちが定まらない。

 とりあえず午前中はやめて、夕方になって出かけることにしよう、と結論を先送りにし、上映予定を調べたりして時間を潰し、昼食後に仮眠を取って、目が醒めて――それでもまだ決意が固まらない。まごまごし続け、ようやく結論が出たのが16時頃。おもむろに支度をして、今日も今日とて自転車で家を発ちました。

 目的地は渋谷です。途中、六本木でちょこっと用足しをして、それから渋谷へ。自転車では初めて訪れる劇場なので、ちょっと迷うかも、と危惧したものの、さすがにこれだけ長いこと映画館通いをしていると、同一エリアの映画館同士の配置ぐらいは頭の中で思い浮かべることが出来る。難なく到着し、目当ての作品の18時45分からの席を、整理番号1番で確保。

 時間にはちょっと余裕があるので、近くの駐輪場に自転車を入れると、先日場所を移したアニメイトに立ち寄ってちょこっとだけ買い物をし、普段より早めの夕食を摂るべく、渋谷での行きつけの店へ……着いたら、閉まっていた。土曜日は品切れの時点で閉店、ということらしく、実質15時ぐらいには営業を終えているようです。いつもは昼間にしか訪れないので、そういう事情は知らなんだ。やむなく、近くにあったチェーンのうどん屋で済ませました。嫌いじゃないけど、愉しみにしていた味とはだいぶ違うのでどーもモヤモヤが。

 渋谷に着いた時点ではけっこう余裕があったはずが、寄り道が長かったようで、開場時間からやや遅れて劇場に戻ることになりました。まあ、決して混雑はしていませんでしたから、好みの席は問題なく確保出来ましたけど。

 きのう以上に迷いに迷った挙句、宮益坂上にあるシアター・イメージフォーラムにて鑑賞したのは、『エターナル・サンシャイン』のミシェル・ゴンドリー最新作、ブロンクスの高校生たちの姿を、夏休み直前の下校路を走るバスに絞り、わざとらしさを排除して描き出したウィ・アンド・アイ』(熱帯美術館配給)

 ゴンドリー版『アメリカン・グラフィティ』、とざっくり表現してしまいますが、しかしこれは本当にいい作品。昨日に続いて、これもストーリーらしきものはなく、バスの中で大勢の少年少女たちが見せる行動が緩やかに結びつき、変化していく様を、あまり小細工なしに描きだしている。しかしこれがとても丁寧で、いちいち胸に響く。結局、学生達も自分たちのコミュニティ、関係性のなかで役割を演じていて、それが卒業という節目に変質する、というのを群像で見せていて、痛々しいけど、だからこそ沁みてくる。同時期に製作した『グリーン・ホーネット』は正直失敗作に終わりましたが、こちらはゴンドリーらしさも留めた名作だと思います。きょう、後回しにした作品も心残りではありますが、これは間違いなく、私にとっては観ておいて良かった作品。

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