やっと、受賞作に手が伸びた。

　土曜日は気乗りがせずに映画鑑賞には出かけませんでしたが、相変わらず観たい映画は山積み、今週中に可能な限り片付けておかないと、しばらく観に行けなくなる事情もありましたので、週明けの本日も映画館へ。

　今日の劇場はTOHOシネマズ日本橋。訪れた回数は９回目、作品数では早くもふた桁に到達しました。記念すべき10本目は、今年度アカデミー賞作品賞受賞作、北部から攫われ、12年間に亘って奴隷の生活を強いられた男性のエピソードを映画化した『それでも夜は明ける』(GAGA配給)。先月公開済ですが、11日からここでもかかると解ったので、残しておいたのです。

　受賞も納得の、圧倒的力作。北部で自由に生きてきた者だからこそ解る、奴隷社会の理不尽さがよく伝わる。黒人奴隷を虐げる白人たちの側ばかりでなく、奴隷として使われてきたひとびとにも、処世術としてその宿命を甘んじて受けいれなければならなかった。首を吊られた主人公が必死に爪先立ちで生き延びようとしているのに、いっさい手出しをせず、何事もないかのように振る舞う奴隷たちの姿があまりに象徴的で衝撃的。決してハッピーな成り行きではありませんが、観ておく価値はある、疑いなき傑作です。

　とりあえず今週は、ほぼ毎日映画館を訪問する予定です……色々と大変なんですけど、この機を逃すと、見落とすものも多くなりそうなので。