19日より第2回新・午前十時の映画祭の2作品目の上映が始まっています。初回こそ初日に駆けつけましたが、あとは自分の余裕のあるときに、と思ってました――が、今回は途中に身動きの出来ない時期があるので、早めに押さえることにしました。小雨がぱらつく陽気ですが、仕方ないので電車にてTOHOシネマズ日本橋へ。
5年目に至った午前十時の映画祭ですが、今年初めての試みとして、邦画を数本採用している。1本目はどこも海外の作品だったようです*1が、2本目は邦画で統一してます。そんなわけで私も、この映画祭で初めての邦画を体験してきました。
作品は、深作欣二監督が飯干晃一の小説をベースに、広島での暴力団抗争をハードに描き、内外問わず大きな影響を及ぼした『仁義なき戦い』(東映配給)。
昔はこーいう暴力的なものが好きでなかったので、他の古典にも増して縁がなかった作品です。しかしいま観ると、文句のない面白さ。暴力描写もさることながら、ユーモアもあり、そして人間描写の奥行きが素晴らしい。とことん格好いい菅原文太に、如何にも極道らしい仁義を貫く梅宮辰夫、若頭の貫禄を見せる松方弘樹、そして食えない狸親父ぶりで立ち回る金子信雄。お馴染みのテーマの使い方も見事で、なるほどこれは時代を制するわけだ。この新・午前十時の映画祭のためにDCPにクリーンナップされた映像も美しく、観たことがない方はこの機に鑑賞してみることをお薦めします。
ちなみに日本橋で、次に予定されている邦画は、5月31日からの『幕末太陽傳』。こちらは以前にデジタル修復版が制作、公開されていますが、私は例によって観逃しているので楽しみです――もっと楽しみなのはそのあと、『砂の器』なんですけど。
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