映画感想が手につかないくらいバタバタしてますが、それでも未だ観たいものはたくさんある。しかも、特に観たかったものがそろそろ終わりに近づいているので、どうしてもフォローしておきたい。というわけで今日は、午前中までに懸案を片付け、夕方から自転車にてお出かけ。ユナイテッド・シネマ豊洲にて2本立てです……って、最近ここに来るときはいつもハシゴしてる気がするな。
家を出るのがちょっと遅くなり、予告篇に間に合いませんでしたが、本篇には充分間に合った本日1本目は、『アンノウン』のジャウム・コレット=セラ監督×リーアム・ニーソン主演のコンビが再結集、航行中の飛行機を舞台に、例を見ない脅迫に翻弄される航空保安官と混乱する機内をサスペンスフルに描いた『フライト・ゲーム』(GAGA配給)。よくよく考えると、私は映画館で観るのは初めてなのだ、この監督。
これまでの作品で解ってましたが、つくづくサスペンスの組み立てが巧い。序盤から怪しげな人物や行動を細かに抽出して、主人公のみならず観客をも翻弄して、ギリギリまで真相を悟らせない。ミステリとして見ると、手がかりがなかなか提示されない真相はちょっとアンフェア、というふうにも思えますが、しかし何気ない描写が最後に、シンプルに真相を暴き出す衝撃と、そこから連続するクライマックスのインパクトは素晴らしい。よい仕上がりでした。
次の作品まで2時間くらいあるので、映画館の入っているららぽーと豊洲で食事を摂ったり、買い物をしたりして時間を潰す。実は今回、わざわざ豊洲に来たのは、ユナイテッド・シネマのオリジナル商品であるシネマダイアリーを買うためでもあったんですが、前々からあんまし売れてないなー、と思っていたら、とうとう品切れになってしまったらしい。いちおう、在庫のある他の劇場から取り寄せる予定はあるそうですが、時期は未定。やむなく、東急ハンズで代わりになりそうな小さいノートを購入して、しばらくごまかすことにしたわけで。近頃、映画の感想は鑑賞直後にこのシネマダイアリーに記録したものを手がかりに執筆していたので、無くなると心許ないんですが……ノートでもいいけど、他の手段を考えないといかんか、そろそろ。
そして劇場に戻って鑑賞した2本目は、『エミリー・ローズ』『フッテージ』と優秀なホラー映画を発表してきたスコット・デリクソン監督最新作、勘の鋭い捜査官が遭遇する怪奇事件を描いた『NY心霊捜査官』(Sony Pictures Entertainment配給)。
コレット=セラ監督がサスペンスの名手として完成しつつあるのに対し、デリクソン監督は堂々たるホラー映画の旗手となりつつあります。今回も見事な出来映え。邦題を見ると、はじめからオカルトどっぷりな捜査官の活躍を描いていそうですが、実際には捜査の過程で初めて“悪魔”の存在を悟り、戦う道を選んでいく様を描いているので、オカルトとしての多様さを求めるとちょっと期待外れかも。しかし、その状況の変遷はホラー映画の定石を押さえながらも緊迫感に富んでいる。場面場面の恐怖表現のうまさは折り紙付きですが、出色はやはりクライマックスの悪魔祓いのくだりでしょう。従来のエクソシストものとはちょっと違う、しかし壮絶な悪魔との死闘におののきながらも魅せられます。
2本目が終わったのは23時、ららぽーと豊洲の他のテナントはほとんど閉まっていて、入口も一部しか開いていない。お陰で暗い中を行きつ戻りつし、どうにか自転車に辿り着いて、我が家に帰り着いた頃には日付が変わっておりました。……映画感想の宿題が増えてしまったけど、間違いのない監督のツボを心得た仕事っぷりに触れられたので不満はない!
コメント